1994年ごろのテイスト・オブ・フリーランス

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TOFの時代

三京ブームで生まれたようなカスタムマシンを主軸とする草レース。しかも誰もが参加可能な敷居の低さ。そして、さまざまな野心にあふれていたのがTOFというレースだったのだ。

カスタムとレースとを融合させた新機軸で注目

1990年、70〜80年代のカスタムマシンで競われる草レースTOFが初開催された。TOFが成立するには、まず80年代末から90年代前半に盛り上がっていたカスタムブームの存在が外せないところだ。最新スポーツモデルFZR1000やGSX-R1100の足まわりや、貴重なレーシングパーツで空冷ZやCB-F、GSX-Sカタナをカスタムする姿は、当時のバイク雑誌で盛んにもてはやされたものだ。その盛り上がりを見せるカスタムシーンをもっと盛り上げるべく、レースができないかと各方面に積極的に働きかけたのがイエローコーン・杉田 均代表だったと当時を知る関係者は証言する。

そしてTOFの歴史がスタートするが、ハッキリ言うと当時の有名ショップはそっぽを向くところも少なくなかったという。当時はすでにアルミフレームが主流になっていたし、エンジンも最新型はV型だった。あえて空冷四気筒や鉄フレーム車に注目するレーシング畑のショップは少なく、さらにカスタムとレースは別と割り切って、参加を渋っていたカスタムショップも少なくなかったそうだ。その反面、当時のカスタムブームに乗って起業したばかりのショップにとっては名前を売る千載一遇のチャンスになった。当時はレース全般に対するバイクユーザーの関心が高く、草レースとはいえ雑誌などが取り扱う機会が多かったTOFで活躍、あるいは優勝すれば知名度が上がり、売り上げも伸びた時代だったのだ。

1995年からGPz400などでライダーとして参戦していたサンクチュアリー本店・中村博行代表
1995年からGPz400などでライダーとして参戦していたサンクチュアリー本店・中村博行代表(写真右側)。のちに自身のZ1Rでも参戦するなど黎明期から同レースに関与
1998年ごろに撮影された中央のGPZ750Rはパワービルダーのレーサー
1998年ごろに撮影された中央のGPZ750Rはパワービルダーのレーサー。黄色い革ツナギ姿は山根光宏選手。後ろで車体を押しているのが若き針替伸明代表だ
1994年ごろのテイスト・オブ・フリーランス
写真は1994年ごろで、写真手前からミハラスペシャリティGPZ、ウィズミーCB1000SF、戸田 隆選手の乗るXJRが超有名どころとして知名度を高めていた
忍者オーナーズクラブ GPZ900R
もっとも活発的だったバイククラブの一つ、忍者オーナーズクラブもGPZ900Rで参戦。このマシンは足まわりは他社種流用で強化されていた
テイスト・オブ・フリーランス参戦 Z400FX
こちらのZ400FXはZ550エンジンやゼファーなどの他車種流用で大部分を構築。純正流用(ZXR400?)の倒立フロントフォークも導入ずみ

TOF参戦マシン

ミハラスペシャリティ GPZ900R

ミハラスペシャリティ GPZ900R
当時もっとも有名だったカスタムショップの一つ、ミハラスペシャリティのGPZ900RはTOFを代表する1台といえる。車体はクラフトマンが担当し、エンジンはドラッグレーサー製作で培っていたノウハウを投入して同社が担当。マフラーも同社製だ。Fゼロ初参戦で初優勝、そして連勝という輝かしい記録を残している。戸田 隆選手との組み合わせでも非常に有名だ
ミハラスペシャリティ GPZ900R
当時のロードモデルとしては異次元の170psを発揮したというチューニングエンジンだ。またサブフレームの開発には戸田 隆選手も関与

トリックスター&TGナカガワ GPZ750R

トリックスター&TGナカガワ GPZ750R
TOFのGPZ-RといえばイエローコーンのGPZ900Rが非常に有名だが、同車を有名にしたのは鶴田竜二選手という存在もあってこそ。その後、鶴田選手がTGナカガワとタッグを組んで作り上げたのがこの1台だ。TGナカガワという名前からエンジンに注目が集まりそうだが、ZX-7RRのレース用パーツをふんだんに用いるなど徹底的に作り込んだ足まわりが注目
鶴田竜二選手とイエローコーンの組み合わせ
1997年から始まった鶴田竜二選手とイエローコーンの組み合わせは当時もっとも注目されていた。ただし最初は130psしかなく苦労も多かったとか

ウイズミー CB1000SF

ウイズミー CB1000SF
1993年に製作され、TOFでの優勝5度、コースレコード更新2度と数々の栄冠に輝いた丸山 浩選手が駆ったCB1000SFも非常に有名な1台。最高出力142ps、最高速度は274km/hを発揮するエンジンと、丸山選手のノウハウを注ぎ込んだウィズミーショーワ製フロントフォークやマルケジーニ製ホイールの存在は、当時垂涎の的だったという

クラスフォー Z1000MkⅡ

クラスフォー Z1000MkⅡ
こちらは1996年のモンスタークラスで2位入賞をはたしたクラスフォーエンジニアリングのレーサーだ。エンジンはワイセコ製ピストンにメガサイクル製カムシャフト、APEステンレスバルブなどアメリカ製パーツをふんだんに導入し、約140psを発揮。ホイールは今や懐かしいミッチェルだ

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