プロフェッショナルカスタムマシン

プロの製作したカスタムマシンは、市販化されたパーツをただ取り付けるだけではない。取り付けたパーツの性能をフルに発揮できるようにセッティングしたり、細かいフィッティングにもこだわっていて、それがひいてはマシンとしての完成度の高さに結び付いているのだ。その実例をここでは紹介する。

カワサキ
Ninja H2 SX SE by エーテック

ファン待望の2018~2021年式Ninja H2 SX/SE/SE+用外装がエーテックから発売

Ninja H2 SX SE by エーテック

ページを共有

“ブラックダイヤモンド”ブランドのドライカーボン製パーツなど多数の外装パーツをリリースしているエーテックから、2018~2021年モデルのNinja H2 SX/SE/SE+用外装パーツが大挙発売される。予約は1月9日からスタートしており、発売は2023年1月26日以降に開始予定だ。

Ninja H2 SX SE by エーテック 左サイドビュー

とくにカワサキ車はカスタムに対する潜在的な需要が大きく、新モデルが発表されるたびに同社にも問い合わせが多く寄せられているそうだが、2018年モデルのNinja H2 SXシリーズが発表された直後からエーテックには同モデル用外装パーツに関する要望が多く寄せられていたという。ただ、ビッグバイク、それも超高速域を想定したモデルだけに開発には時間をかけることになり、発売が今に至ったとのことだ。

とくに問題となるのが製品強度だ。速度域が300㎞/hに達するレベルになると、想像もしていなかった部分が風圧で変形することもめずらしくない。変形が顕著になるのは風圧を受けやすいフロントフェンダーで、安い海外製フロントフェンダーを装着して高速道路を走行したら、変形してフロントタイヤと接触してバースト寸前になった、といった話はよく聞く話だ。しかも300㎞/どころか120㎞/h程度の速度で変形したという事例も存在する。

そこで活きてくるのがエーテック製品を使った各レースチームの活動だ。よく知られているようにエーテックはカワサキのファクトリーチームや多数のレースチームにパーツ供給を行なっているが、レースでは最高320㎞/hでストレートを駆け抜け、1秒後には100㎞/h以下まで減速するといった極限の運動を行なうこともある。そんな極限の世界での挙動はレースチームだけではなくパーツメーカーにもフィードバックされている。そういった経験を活かし、極限の速度域を想定したNinja H2 SXシリーズにも同様の強度を持たせるために、さまざまな取り組みをが注ぎ込まれることになった。レースを走らないからレーサーの経験は活きない、レースと同じ環境ではないからレーサーの教訓は反映されない、というわけではないのだ。

とりわけ、エーテック製品は日本だけではなくヨーロッパで台湾など海外でも人気だ。日本の国内法規だけ意識した製品作りではなく、あらゆる走行シチュエーションを想定し、車両の限界に耐えうる純正外装と同等、あるいはそれ以上の強度を持たせ、さらに性能面を向上させることを重視している。もちろん外装は見た目にも影響するのでスタイル面も重視しており、純正形状そのもののようにも見せつつも、じつは純正そのものではないこともあるなどの工夫も見せている。

エーテックの外装パーツは「何だ、単に純正形状の外装をカーボンで作り直しているだけかよ」などという単純な製品ではない。長年つちかってきたノウハウによって純正を上回る高品質な製品を目指し、さらに同社独自の視点やスキルによって、より楽しめるマシンづくりに一役買う存在となっているのだ。

1月9日に予約を開始したところ、すでに予約が殺到して一部はバックオーダー状態となってしまったとのことだが、ぜひ時間がかかっても同社の製品に触れていただきたいところだ。

なお、写真はすべて2018年モデルのNinja H2 SX SEをベースとしているが、2018~2021年までのNinja H2 SX、Ninja H2 SX SE、Ninja H2 SX SE+への適合を確認している。

カスタムポイント

Ninja H2 SX SE by エーテック フロントフェンダー

今回のラインナップで特徴的なのが、適合フロントフェンダーのスペシャルモデルが4種類あること。スペシャル(SPL)モデルは純正形状ではなく、エーテックが独自に形状をリテイクしたり、異なる形状としたモノだ。なお4種類あるが、いずれもNinja H2シリーズと共用。好みの形状で選び甲斐があるラインナップだ(写真はSPL4)。価格は3万8,500円から


カスタムパーツギャラリー

問い合わせエーテック
住所兵庫県加古川市平岡町高畑597-1
電話番号079-454-7222
Webサイトhttp://www.a-tech.org/



人気記事