プロフェッショナルカスタムマシン

プロの製作したカスタムマシンは、市販化されたパーツをただ取り付けるだけではない。取り付けたパーツの性能をフルに発揮できるようにセッティングしたり、細かいフィッティングにもこだわっていて、それがひいてはマシンとしての完成度の高さに結び付いているのだ。その実例をここでは紹介する。

カワサキ
GPZ900R by サンクチュアリー本店

“安全なニンジャで楽しみたい”という夢を実現させるNEWタイプRという選択

GPZ900R by サンクチュアリー本店

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今やバイク史に燦然と名を残す名車となったGPZ900R。そのペットネーム“ニンジャ”は今やカワサキを代表するスポーツモデルが正式に冠する名前になったほどだ。

ただ、一時は安価に購入できるビッグバイク入門モデルと位置付けられていたためか、製造台数こそ非常に多いもののの、ラフに扱われていたと思わしき個体も相応に目立つ。よって中古車の程度としても、少し前ならA12以降ならほとんど問題がない状態だったものの、現在では年式を問わず状態のいい中古車を見付けるのが困難になっている。少し前ならもう廃車にしていい状態でも、ムリヤリにでもカスタムベースとして活用できないかという声は意外に多いそうだ。

旗艦店のサンクチュアリー本店を含むサンクチュアリーグループでは、GPZ900Rをベースとしたカスタムプランをスポーツパッケージ・タイプS、同タイプR、エンジン換装を含むフォーミュラーパッケージと複数用意し、できるだけ状態のいい車両を見付け出し、足まわりや吸排気をリファインしてリリースしていた。しかし、2010年代後半にもなると、もはやエンジンのオーバーホールや劣化した電装パーツを交換しなければ安心して乗れないとし、2016年にはタイプRをエンジンのオーバーホールと、高年式カワサキ車からの電装パーツのフルコンバートを含むNEWタイプRへとリファインしている。さらにその後、数度のメニュー改定を経て、2020年仕様のNEWタイプRとなっているのだ。

ちなみに記事内ではNEWタイプRと呼んでいるが、同社内での呼称はタイプRのまま。便宜上、差別化を図るため現状のタイプRはNEWタイプRと呼ぶことにする。

GPZ900R by サンクチュアリー本店
GPZ900R by サンクチュアリー本店

現在のNEWタイプRだが、2016年までとは異なり、全体のリファインに重点を置いた内容となっている。これは同社コンプリートマシン”RCM”に通じる内容で、部分的に刷新するだけではなく全体を再構築することで、高い走行性能と安心を提供したいというもの。その発想を元に手がけられたのが、今回紹介するGPZ900Rなのだ。

サンクチュアリーグループではRCMを2プランで展開している。一つはオーダーメイドで、使用するパーツ類はサンクチュアリーグループが取り扱うスカルプチャーやナイトロレーシングといったブランドパーツを主軸にするものの、かなり自由度が高いオーナー主導のカスタムプランとなっている。そしてもう一つはクラフトマンシップで、これは同社メカニックが主導的に構築し、同社デモ車両として展示・販売されているものだ。そのなかでもスタートエディションと呼ばれるマシンはカスタムベースとして活用できるよう純正流用や中古パーツなど駆使して比較的安価で製作されていることが多く、そのクラフトマンシップ・スタートエディションをベースにアップグレードさせることを選択する購入者も多いのだとか。

このマシンもまさにその手法でリファインされており、とりわけ足まわりはハイスペック化されている。フロントフォークは新型のオーリンズ製倒立タイプ2IFF5210を採用し、さらにブレンボ製GP4-RXキャリパーを組み合わせる。ホイールは6本スポーク仕様のO・Zレーシング製ガスRS-Aホイールとし、世界最高峰メーカーのパーツで構築された。左右のフロントマスターシリンダーもブレンボ製ラジアルタイプで、ダートフリーク製の新アイテムとなるRCMコンセプトフライトレバーが目を引く。

そしてスタック製&デフィ製の2つのデジタルメーターを組み合わせたオリジナル3連メーターは、同社RCMではあまり用いられなかった手法となるが、今現在のトレンドも加味し、先進性をアピールしているポイントだ。

個々のパーツはもちろん豪華だが、それが一つのマシンとなった際のまとまり感も秀逸。ただ豪華なパーツを用いるだけではなくマシンとしての完成度を重視する同社の姿勢が垣間見られるところだ。

GPZ900R by サンクチュアリー本店
GPZ900R by サンクチュアリー本店

カスタムポイント

GPZ900R by サンクチュアリー本店 倒立フロントフォーク

外観的にもインパクト大なのが倒立フロントフォークだ。同社ではこの倒立フロントフォークあるいは正立フロントフォークとスカルプチャー製ブラケット、フロントフェンダー、キャリパーサポートなど交換時に要するパーツをセットにしたE×M(エクスチェンジモード)パッケージを販売中。リーズナブルかつ周辺パーツの追加購入が不要となるため人気を博している。


カスタムパーツギャラリー

  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 メーター
    同社では信頼性の問題からメーターにカワサキ純正品を流用することも多いが、このマシンではオリジナリティを重視してワンオフの3連タイプを製作。メインのタコ&スピード、右の燃料計はスタック製、左の水温計はデフィだ
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 シート
    タンデム部分をシングルシート風の造形とすることでレーシーな雰囲気を盛り上げるシートはRCMをイメージしたデイトナのオリジナル製品、"RCMコンセプト"コージーシートだ。シート形状やレザーの選択などはサンクチュアリー本店の意見も反映されている
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 レバー
    ジータのフライトレバーにRCMのネーミングを冠した、ZETA RCMコンセプトフライトレバーを左右のレバーとして採用。もともとの仕様より肉抜き感が強調されていのが特徴だ。写真はCNCマスターだがRCS用もラインナップされる
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 タンク
    外装はノーマルそのままかと思いきや、純正ラインでオールペイントされている。メーカーロゴなどもさり気なくグラデーションを入れるなど差別化を図った。表面に見える白い粒上のモノはラメだ
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 ラジエター
    GPZ900Rは設計から40年になろうとする歴とした旧車。そのため冷却性能が現代からすると弱いと言わざるを得ない。そこで冷却系強化はGPZ900Rカスタムの定番でもあるが、ナイトロレーシング製ビッグラジエター&ハイマウントタイプのオイルクーラーはカスタムシーンでも人気だ
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 エンジン
    今やGPZ900Rのエンジンは腰下を含めたフルオーバーホールでなければ安心できない。2016年以降の同社タイプRは対策パーツでオーバーホールしたうえで、さらに経年や熱で劣化した電装パーツもすべて高年式カワサキ車からコンバートして信頼性をアップ
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 テールランプ
    スモールタイプのウインカーやナンバーホルダー、リヤインナーフェンダーなどはNEWタイプRにのみ用いる専用品。テールレンズはポッシュ製とし、テールまわりもシャープな印象に刷新される
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 ステップ
    ステップはシンプルな造形で人気を博しているナイトロレーシング製となる。GPZ900Rはステップ交換時にピボットプレートからの交換が必須になるが、同社製などを用いることで全体の質感を高められる
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 ブレーキ
    ブレーキはブレンボ製CNCラジアルキャリパーにサンスターのRCMコンセプトと一級品を用いて強力な制動力と絶妙な操作性の両立を図った。ブレーキ性能のアップはレースに限らずストリートでも非常に有効だ
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 マフラー
    ヒートポリッシュ仕上げが美しいナイトロレーシング製エキゾーストはチタンショートテールEXとグレネードチタンV-Ⅲサイレンサーの組み合わせだ。ナイトロレーシング製はカスタムシーンでも人気ブランドで装着率も高い
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 リヤショック
    リヤショックはカスタムシーンでも高く評価され、採用率が高いオーリンズ製をチョイス。Kファクトリーの車高調整キットを介して車体姿勢の微調整を行なっている。チェーンは江沼チエン製作所のEK530RCMだ
  • GPZ900R by サンクチュアリー本店 スイングアーム
    スイングアームはスカルプチャー製にスタビライザーを追加した特注品。吸排気刷新により増大したパワーを適切に路面に伝えるため、剛性アップだけではなくバランスも配慮した設計となる。ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造製最新モデルのガスRS-A
問い合わせサンクチュアリー本店
住所千葉県柏市大井554-1
電話番号047-199-9712
Webサイトhttp://www.ac-sanctuary.co.jp



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