現代のパーツと旧車をプロの技術で調律する
登場から50年以上が経過したカワサキ・Z1は、カスタムベースとしても人気の高いマシンである。手がけるコンストラクターは多数存在するが、第一人者といえるのがブルドックだ。『ジェニュイン・チューニング・マシン(GT-M)』と命名されたコンプリートマシンを、これまでに多数世に送り出してきた。その中の1台がここで紹介するZ1だ。
コンプリートマシンとは段階的に手を加えるのではなく、一気に手を加えたマシンを指す。とくにZ1のような古いバイクは、ベースマシンの状態がさまざま。エンジン内部や電装系パーツなど、外部から状態を判断するのが難しい部分も多い。仮にそのまま作り込んだとしても、いつ不具合が生じるかわからない。またZ1が現役だったころになかったパーツを組み込めば、全体のバランスもくずれてしまう。それをしかりと機能させるべく調律するため、フレームを補強はじめとする大がかりな作業が必要になる。ゆえにエンジン内部からフレームまで、すべてに手を加えたうえで、完成にもっていくのだ。
ブルドックは20年以上の時間の中で数多くのZ1を手がけ、さまざまなデータを蓄積。その過程を通じてオリジナルのカスタムパーツを開発したり、目立たないが長く乗り続けるために必要なパーツ、たとえばエンジンオイルを循環させるためのギヤ式オイルポンプなどを開発。加えて完成度を高めるために、エンジンのボーリングをはじめとする各種加工を工作機械を導入して自社内で行なっている(ショップ単位でここまでやるのは稀有。またスッタッフの加工技術も日々進化し続けている)。
写真を見ただけでその美しさに感じ入るだろう。もちろんそれも重要な要素である。しかしキモになるのは、高い技術と深い知識をもって、組み上げられていること。それがあってこそ新車同様の安心感で、長く乗り続けられるカスタムマシンに仕上がるのだ。だからこそ同社にはつねに製作の依頼が絶えないのである。
カスタムポイント
カスタムパーツギャラリー
「Z1 by ブルドック」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 1,135㏄ |
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エキゾーストシステム | ウィンマッコイ |
キャブレター | ヨシムラTMR-MJNφ36㎜ |
オイルクーラー | アクティブ |
ホイール | ラヴォランテ・レジェンダ(F=2.75-18・R=4.50-18) |
Fブレーキ | キャリパー:ヘル ラジアル4ポット ローター:マッコイ×サンスター マスター:ブレンボ ラジアルポンプ |
Rブレーキ | キャリパー:ヘル 2ポット ローター:マッコイ×サンスター |
Fフォーク | マッコイ×ナイトロン |
ブラケット | マッコイ |
Rショック | マッコイ×ナイトロン |
スイングアーム | マッコイ |
シート | マッコイ×スプリームシート |
ステップ | マッコイ |
タンク | マッコイ |