メンテナンスのススメ

カスタムすることで性能を向上させる。それがカスタムする楽しみの一つでもあるが、それも正常な状態あってこそ。そして正常な状態を維持するには、純正のままでもカスタムした状態でも、各部のメンテナンスは必要なのだ。そこで性能を引き出すうえで注目したいメンテナンスポイントを挙げていこう

エアフィルター清掃のススメ。吸気効率を最大限得るための定期清掃は必須だ

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エンジンの出力に大きく影響する吸気は社外製エアフィルターを使うことで吸気効率を高め、出力を高めることも可能となる。しかし、高性能がゆえに定期的、そして最適な方法でフィルターのメンテナンスが必要となるのだ。

吸気効率向上のキモは、フィルター本体の状態次第

愛車をカスタムする際、最高出力を上げようとするとマフラーやキャブレターの交換をまっ先に思いつくが、エアフィルターをアフターパーツに交換することも効果的だ。アフターパーツのエアフィルターは純正のモノに対し、吸気効率を高めるよう、それぞれ工夫がほどこされているためだ。吸気効率が上がれば多くの空気をエンジンに送り込むことができ、それはすなわちエンジンの出力向上にもつながるわけだが、そのぶんメンテナンスも定期的に行なう必要も生じる。

では、なぜメンテナンスを行なう必要があるのか。純正フィルターの多くは乾式が使われており、一定の期間や距離を走行することでフィルターごと交換するモノが多い。一方、今回の取材にご協力いただいたアクティブのDNAフィルターなどのアフターパーツは、フィルター本体にオイルを含ませた湿式が採用されている。湿式とすることでフィルター自体の耐久性が向上し、また汚れたら洗浄すればフィルター本来の性能を取り戻すことができ、再利用が可能なのだ。そのため、DNAフィルターに関しては、定期的にメンテナンスを行なうことで半永久的に使用することもできるのだ。とくにオンロードモデル用車種別モトフィルターには永久保証が付帯されているほど。

ただ、この吸気効率を維持するためには定期的なメンテナンスを行なうことが重要。DNAフィルターは純正のエアクリーナーボックス内にあるエレメントと交換する車種別モトフィルターと、レーシンググキャブレターに交換した際に装着するカスタムフィルターがあるが、とくにカスタムフィルターに関しては、フィルター本体がつねに露出する形となるため、天候などの影響も受けやすく、汚れやすい面もある。その一方で、露出しているがゆえに汚れ具合やオイル分が乾いているなどの変化にも気づきやすい。DNA製に限った話ではないが、湿式エアフィルターはこのオイルの状態も劣化を防ぐうえで重要な要素となる。性能を維持するためには、こまめにチェックし、早めのメンテナンスを心がけてほしい。

メンテナンスの必要性とその方法

湿式エアフィルターはフィルターコットンに専用のオイルを含ませてホコリや砂などを吸着して、キャブレター内やエンジン内に異物が入るのを防ぐという仕組み。そのため、表面のオイルが汚れたら除去し、再度オイルを含ませるというメンテナンスが定期的に必要となる。これはDNA製に限らず、基本的に湿式フィルターは同じ工程が必要になる。今回はDNAフィルターでその工程を紹介する。

着脱

フィルターの汚れがひどくなったり、フィルター部のオイル分が抜けてしまったりした場合には、フィルターを取り外してメンテナンスをする必要がある。レーシングキャブレターに装着するカスタムフィルターは装着状態で汚れ具合などの確認ができるが、純正のエレメントと交換するモトフィルターは定期的に取り出してチェックするようにしたい。なお、目安は3,000㎞から5,000㎞だ。

洗浄

DNAフィルターのメンテナンスは洗浄、乾燥、そしてオイル塗布という流れになる。ここで注意する点は、洗浄の際に専用のクリーナーを使うこと。フィルターの洗浄に灯油やガソリン、パーツクリーナーなどを使うのは厳禁。さらにエアブローも禁止だ。その理由はこれらのモノでフィルターコットンの変形や偏りを誘発してしまうためであり、性能低下を招いてしまうから。必ず専用クリーナーを使うこと。

オイル塗布

専用クリーナーで洗浄後は自然乾燥でフィルターを乾かす。この際にはドライヤーや暖房器具を使っての乾燥も厳禁。乾燥時間は丸一晩は乾燥させるぐらいが目安となる。完全に乾いたフィルターにはオイルを塗布するが、オイルもフィルター専用品を使用すること。指定以外のオイルを塗布すると目詰まりや吸気効率の低下の要因となる。

メンテナンスに必要なモノは?

DNAフィルターのメンテナンスでは専用のクリーナーとフィルターオイルを使用しなければならない。指定外のモノを使えば、フィルター本体の寿命を縮めてしまい、本来の性能は望めなくなってしまう。もちろん、この場合は製品保証外になってしまう。ほかには柔らかいブラシや手袋、ウエスとトレーを用意しておきたい。

エアフィルターのメンテナンスにメンテナンスに必要なモノ

雨天走行時の注意点は?

DNAフィルターの専用オイルは水と混ざりにくい100%化学合成油が使われており、油分があればある程度は水分を弾じき、また雨に濡れても乳化しないという成分を採用している。しかし、フィルター自体に高い耐水性があるわけではないので、決して濡らしていいというものでもない。できるなら雨の日は走行を控えたほうがいいだろう。とくに油分が抜けていれば要注意だ。なお濡れてしまった場合だが、油分があった状態で濡れたのなら乾かせばフィルターとしての性能は回復するとのことだ。

取材協力アクティブ
TEL0561-72-7011
URLhttp://www.acv.co.jp


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