パーツメーカー

日本国内のみならず、世界各国に多数存在するカスタムパーツメーカー。各社はそれぞれの理念に基づき、多様な製品を日々開発している。当コーナーは、そんなパーツメーカーの思いや歴史、舞台裏などに迫る。

ビトーR&D JBパワー マグ鍛

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“JBパワー”のブランド名で販売するマグネシウム鍛造ホイールのMAGTAN(マグ鍛)をはじめとして、足まわりのパーツを数多くリリースするビトーR&D。パーツ販売以外にもコンプリートマシンの販売、エンジンのオーバーホール業務、ケーヒンFCRやコスワースの正規代理店など多様な側面を持つメーカーだ。

マグ鍛の開発により足まわりを充実させる

カスタムが一般的に行なわれるようになった1990年代、ホイール交換は他車から純正流用するか、レースで使われていた海外製の鋳造マグネシウムホイールを流用するのが一般的だった。ただ、鋳造マグネシウムホイールは品質にバラつきが多く、レースでの使用も使用期限を設けて使っていたほどだった。しかし、2000年にビトーR&Dが鍛造マグネシウムホイールの“マグ鍛”を世界に先駆けて市販化。高品質で軽量、さらに車種専用設計でボルトオンでの装着を可能としたことで、カスタムシーンを一変させ、大ヒット商品となった。

ビトーR&Dはこのマグ鍛を同社のメイン商品として、足まわりを中心としたカスタムパーツを数多くリリースしていく。フロントフォーク、ステムキット、さらにはブレーキシステムなどなどだ。同社の特徴はカスタムで人気の主要モデルはすべて開発用として所有し、実走テストを繰り返して理想のパーツを作り上げていることである。パーツの開発は車両を所有して行ない、その車両は現在も所有し、進化させ続けている。カスタムで人気のZ1/Z2やGPZ900Rはもちろんのこと、ゼファー1100/750やZRX1100/1200Rなども所有し、今現在も研究開発を続けている。

ビトーR&Dが展開する“JBパワー”

同社で開発された商品のブランド名”JBパワー”。このブランド名を冠する新製品は同社独自の規格(JBスペック)にて厳しく吟味され、合格したものがJBパワーとして販売される。同社では数値だけでなく、ライダーの感性に重点を置き、性能試験はもちろんのこと、すべて実走テストを行なっている。

ホイール

2000年から発売を開始した鍛造マグネシウムホイールのMAGTAN(マグ鍛)。それまで主流だった鋳造マグネシウムホイールより軽量かつ高品質をねらって製作された。同社はJB2からリリースを開始し、JB1、JB3とそのラインナップを増やしていく。また、車種専用設計としたことで、ボルトオン装着を可能にした。

ステムブラケット

軽量ホイールマグ鍛の発売で足まわりのカスタムが激変し、同社からはKYBとの共同開発でφ38㎜やφ41㎜のフロントフォークの販売も行なうようになる。それに合わせてφ38㎜やφ41㎜に対応したステムキットも販売している。

ビトーR&D ステムブラケット

ブレーキまわり

マグ鍛などにより強化された足まわりに合わせ、ブレーキもJBパワーでラインナップする。写真はJBパワーのラジアルマウントキャリパー6ポットと、同じくJBパワーの鋳鉄ディスクローターの組み合わせだ。

ビトーR&D ブレーキまわり

エンジン対策パーツ

エンジンのチューニングはもちろんのこと、オーバーホールにも対応する同社。数多くのチューニングを行ない、そして数多くのエンジンをオーバーホールしてきた同社は、車両それぞれのエンジンの弱い部分、チューニングにより強化したほうがいい部分などの対策パーツも開発してきた。とくにカスタムでも人気の空冷Z系のエンジン対策パーツが多くあり、今後エンジンをチューニングしたりオーバーホールしたりする際には、これら対策パーツも検討してほしい。

自社パーツの開発・販売のみならず代理店や車両販売など手広い展開も

同社はオリジナルパーツの開発販売のほか、ケーヒンやコスワース、F.C.C.などの代理店としても知られており、旧車カスタムでは必須となるケーヒンのCR&FCRキャブレターも取り扱っている。

また、パーツの販売のほか、コンプリートエンジンやコンプリートマシンも製作していて、カスタムで人気の定番車種から、同社代表の美藤 定氏が選んだ車種、たとえばCBX(1000)やZ1300などの6気筒モデルや、SRX600、W650などシングルやツインなどのコンプリートマシンも製作販売している。また、空冷Z系などの旧車に関してはエンジンのオーバーホールなどにも対応するなど、カスタムを楽しむユーザーにとっては駆け込み寺的な存在となっているのだ。

取材協力ビトーR&D
TEL0796-27-0429
URLhttp://www.jb-power.co.jp


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