パーツメーカー

日本国内のみならず、世界各国に多数存在するカスタムパーツメーカー。各社はそれぞれの理念に基づき、多様な製品を日々開発している。当コーナーは、そんなパーツメーカーの思いや歴史、舞台裏などに迫る。

ギルドデザイン製品

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アフターパーツメーカーを紹介する本企画。今回はギルドデザインにスポットを当てる。1990年に設立され、他社の下請け業務を経ながらも自社カスタムパーツブランド“Gクラフト”の成功で大きく飛躍。現在はビッグバイク用パーツのほか、ミニバイク用パーツ、そしてスマホケースも製作する。

他社下請けなども経つつ自社カスタムパーツを展開

ギルドデザインはアルミの削りモノや溶接モノを中心とした製品をラインナップする。ビッグバイク用のカスタムパーツではステムブラケット、スイングアーム、そしてフェンダーレスキットなどを開発し、製造・販売する。また、同社はモンキーをはじめとしたミニバイクブランド“Gクラフト”を展開し、ミニバイク用ではステムブラケットやスイングアームのほかにもフレームやホイールなど幅広く開発し量産する。さらに、スマートフォン用アルミケースも製造・販売しており、さまざまなキャラクターとのコラボレーション商品も多くの人気を獲得している。

ギルドデザインは、創業者であり現社長の山口直彦氏が1990年に設立する。山口氏は80年代にロードレースで活躍し、鈴鹿のオーヴァーレーシングに所属してレースに参戦したり、レース以外のときには同社の社員としてパーツ開発や製造に携ったりしながら、モノ作りに関するノウハウを習得してきた。山口氏は鈴鹿4耐にもライダーとして参戦していて、同期のチームメイトには“ストライカー”ブランドを展開するカラーズインターナショナル代表の新 辰朗氏も在籍していた。

山口氏はレースを引退後にギルドデザインを立ち上げ独立し、溶接などカスタムパーツメーカーの下請け作業を請け負っていた。1993年には三重県亀山市に工場を新設し、溶接や削りモノを中心としたバイク用カスタムパーツの開発、生産を開始する。当時はビッグバイクカスタムが一般的になりつつあるころで、ギルドデザインも当時はZ1/Z2をはじめとする空冷Z系やGPZ900R、ゼファー750/1100などのステムブラケットやスイングアームを開発・生産している。94年には現在の場所に工場を新設し、マシニングセンタも導入してパーツの生産体制を強化していく。下請け作業も行ないながらカスタムパーツを徐々にリリースしていった。当時は4-1集合のスチールマフラーを“バイパー”という商品名で生産・販売していたのだそうだ。

ギルドデザインが力を注ぐ看板のひとつがステムキット

アルミの削りモノを得意とするギルドデザインの看板商品のひとつともいえるステムキット。高剛性を誇るが、剛性を落とさない範囲で肉抜きなどを行ない、軽量なステムブラケットに仕上げている。ショートオフセットタイプでクイックなハンドリングを実現。カワサキ車を中心にラインナップしている。

ギルドデザイン ステムキット
ステムキットはトップブリッジが平坦なものとウイングタイプがラインナップされており、ウイングタイプは短いフォーク全長にも対応できるようにしている
ギルドデザイン ステムキットのブラケット
ブラケットはアッパー、アンダーともに裏側は大きく肉抜きされているが、リブを設けることで剛性を落とさないようにしている。これにより剛性アップと軽量化を両立
ギルドデザイン ステムキットのハンドルクランプ部
削りの造形が美しいハンドルクランプ部。クランプは直接ボルトで固定する方式を採用しており、ハンドリングにおいてダイレクトな操作感が得られるようにする
ギルドデザイン創業初期のZ1・Z2用ステムキット
ギルドデザイン創業初期に開発されたZ1・Z2用ステムキット。こちらはフロントフォーク径φ36㎜対応となり、オフセットは45㎜。現在も販売している
ギルドデザイン創業初期のZ1用ステムキット
こちらも創業初期の製品でZ1R用で対応するフロントフォーク径はφ41㎜とφ43㎜。このころから剛性、デザイン、軽量化にこだわり、各部においても妥協のない仕上がりとなっている

パーツ製作の設備も充実

ギルドデザインはアルミ製品の開発、製造を得意としており、自社工場内の主な設備はアルミの削りモノの製作に欠かせないマシニングセンタと旋盤のほか、溶接機、そして5軸マシニングセンタなどをそろえている。2018年内に工場の移設を予定しており、さらに工作機械も増やして生産体制、そしてさらなる技術の向上を目指している。

取材協力ギルドデザイン
TEL0595-85-3608
URLhttp://www.gilddesign.co.jp


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