パーツメーカー

日本国内のみならず、世界各国に多数存在するカスタムパーツメーカー。各社はそれぞれの理念に基づき、多様な製品を日々開発している。当コーナーは、そんなパーツメーカーの思いや歴史、舞台裏などに迫る。

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自社ブランド“Gクラフト”でメーカーとして飛躍

その一方で力を入れたのが新たな自社ブランドの開発だった。“Gクラフト”を立ち上げ、モンキーをはじめとするミニバイク用パーツも開発する。このとき、ミニバイク用パーツに力を注いだ理由はモンキー専門店を営む山口氏の友人からの助言があったからで、ギルドデザインを立ち上げた90年代前半は、モンキーのカスタムがブームになりはじめたころだったのだ。こうして山口氏は、下請けとしての仕事を続けながらオリジナルブランドのGクラフトも育てていく。当時のことについて、同社オートバイ事業部の寺井健二氏は次のように話す。

「当時、モンキーなどのミニバイク用カスタムパーツはアルミの鋳物が主流でした。そこにビッグバイク用のカスタムパーツではあたり前だったアルミの削りモノのパーツを投入しました。品質には自信がありましたが、削りモノは材料費や生産コストが上がりますから、商品単価も当然大幅に上がりますので、かなり不安でした。でも、そんな不安をよそに商品は少しずつお客さまに受け入れられていきました。その背景には、当時のミニバイクカスタムはパワーアップ、スピードアップが主流で、より高品質なモノが求められていたという事情があります。ビッグバイク用パーツで得たノウハウを活かしたこともあり、モンキーのカスタムを楽しむユーザーにも受け入れられていただきました」

こうしてGクラフトは1995年、モンキー用カスタムパーツブランドとして立ち上げられた。現在はモンキーをはじめ125㏄未満のミニバイク用パーツもリリースしており、商品ラインナップはフレームからステムブラケット、スイングアーム、ホイールなどなど多岐にわたっている。

ミニバイク用ステムキット

Gクラフト ステムキット

モンキー用をはじめとするステムキットを展開。素材はA2017を使い高剛性を実現すると同時に、ビッグバイク用ステムブラケットと同じようにアッパー、アンダープレート裏は肉抜きを行ない軽量に仕上げている。また、ハンドルロックが使える用にするなど、利便性も兼ね備えている

ミニバイク用スイングアーム

スイングアームのバリエーションは豊富で、ホイールサイズや長さを替えることが多いミニバイクカスタムに対応する品揃えとなっている。メインパイプも純正ルックの丸パイプから高剛性の目の字断面など使い分け、ユーザーの求める性能に対応している

ミニバイク用交換フレーム

Gクラフト フレーム

ミニバイク用としてアルミフレームも開発しており、A2017、そして7N01などの高強度アルミ材を使って軽量で高剛性なフレームとしている。フレームもスイングアーム同様にさまざまなユーザーの要望に対応するべく、モノショック仕様やツインショック仕様など豊富なバリエーションをラインナップしている

CUSTOM MACHINE

HONDA GROM

ギルドデザインによるホンダ・グロムのカスタム車

Gクラフトはモンキー用パーツが有名だがグロムやZ125PRO用の部品もラインナップする。写真のグロムではステムブラケットやスイングアーム、キャリパーサポートなどが装着されている

HONDA MONKEY

ギルドデザインによるホンダ・モンキーのカスタム車

ミニバイク系雑誌とのコラボレーションで開発したVツインエンジンを搭載したモンキーで、ステムブラケットやフレーム、スイングアームはもちろん同社製品だ

取材協力ギルドデザイン
TEL0595-85-3608
URLhttp://www.gilddesign.co.jp


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