プロフェッショナルカスタムマシン

プロの製作したカスタムマシンは、市販化されたパーツをただ取り付けるだけではない。取り付けたパーツの性能をフルに発揮できるようにセッティングしたり、細かいフィッティングにもこだわっていて、それがひいてはマシンとしての完成度の高さに結び付いているのだ。その実例をここでは紹介する。

カワサキ
Z900RS by エムエスセーリング

70年代のイメージと電子制御カスタムで走りと見た目を両立

Z900RS by エムエスセーリング

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千葉県に店舗を構えるカワサキ正規取扱店のエムエスセーリングは、Z900RSが発売されて間もない2017年12月に、早くもZ900RSカスタム車を作り上げた。その車両がここで紹介するZ900RSだ。

同店は積極的にカスタムに取り組んでいて、これまでZRX1200ダエグ(以下、ダエグ)にスーパーチャージャーを搭載したり、W650のエンジンの爆発タイミングを同爆に変更したりするなど、さまざまなカスタムを行なってきた。さらにはインジェクションセッティングの造詣も深く、他の店舗に先駆けファンネル仕様のダエグも作っていた。
このZ900RSは、発売間もないことに加え、製作期間も2日間と非常に短い。そのような状況のなか、できることを手探りで進めたと同店は語る。同店が手がけるZ900RSカスタムの第一弾で、今後手を加える必要はあるとのことだが、この段階でも完成度は高い。

ポイントの一つは70年代の空冷Zらしさを演出することだ。そのためホイールは、ノーマルの17インチから18インチへと変更。マフラーも純正の集合タイプから4本出しへと変更している。さらにフロントフォークは、ノーマルが倒立タイプを採用しているのに対して、このZ900RSは正立タイプへと変更している。加えて、細かい演出がエンジンガードだ。ノーマルのフレームはダイヤモンドフレームと同様の構造のため、ダウンチューブを持たない。そのため、ダウンチューブに見立てたエンジンガードを追加しているのだ。これらの変更により、スタイリングに空冷Zらしさを持たせている。

さて、同店がこれまで製作してきたカスタム車は、いずれも走行性能にこだわっており、このZ900RSも例外ではない。スタイルに空冷Zらしさを持たせつつも、シッカリと走行性能を追求している。前後サスペンションに、レースシーンやカスタムシーンで定評のあるオーリンズを採用しているのはそのためだ。また、ラピッドバイクのサブコンとオートシフターを装着。サブコンは現在セッティング中とのことだが、中低速域の扱いやすさをねらっている。また、オートシフターはスポーツ走行時にすばやくシフトチェンジするのに効果的であり、長距離ツーリングではシフトチェンジの際、クラッチレバーをにぎる疲労を低減させてくれる。

このZ900RSは、スタイルと走行性能を両立させたカスタムといえるが、同店はすでに次のカスタムを試している。完成時期は未定だが、仕上がりが楽しみである。


カスタムパーツギャラリー

問い合わせエムエスセーリング
電話番号047-379-6034
Webサイトhttps://www.ms-sailing.com



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