ピレリタイヤ業務やオリジナルグッズ展開も充実
今年2021年で設立から20年を迎えるパワービルダー。代表の針替伸明氏はショップとして正式に設立前からプライべーターの域を超えたチューナーとして知られており、かつて本誌でも当時の針替代表の愛車・ターボチャージャー付きGPZ900Rを紹介したことがあるほどだ。
そして各種さまざまなカスタムマシンを製作してきたが、テイスト・オブ・フリーランス、テイスト・オブ・ツクバで輝かしい成績を収め、その名声は今や海外でも知られている。
その同社が2021年に向け、従来のカスタムマシン製作のほかに各種取り組んでいる事業のいくつかをここで紹介していきたい。
ピレリ・レーシングサービスとしての業務を強化するタイヤハウスを新築
その同社はテイスト・オブ・フリーランス時代からの長年の活躍を評価され、現在ではピレリのレーシングサービスとして東日本でのバイク用レーシングタイヤの販売元となっている。そして2019年に現在の新店舗に移転するが、旧店舗があった敷地内にタイヤハウスを新築。ピレリとメッツラー(※メッツラーはピレリ傘下のブランド)のレース用タイヤはもちろん、ストリート用のハイパフォーマンスモデルを豊富にストックしている。
パワービルダーといえばエンジンチューニングでその名を馳せたショップだが、同社が力を入れてるのは足まわりだ。というのも、あり余るほどのパワーを獲得しても、それを活かす車体や足まわりを構築できないとレースでのタイムアップに結び付かないため。
そしてそれはレースに限らすストリートでも同じことが言える。仮に空冷Z系で120ps、130psを獲得したとしても、それを活かす車体がなければ乗りにくいだけだ。同社製作の空冷Zには筆者は何度か試乗したことがあるが、いずれも非常に乗りやすいことに驚いたものだ。しかも別の機会に2台のゼファー750に乗った際にも、マシンのコンセプトごとに乗り味がまるで異なることにも驚かされたことは今でも鮮明に覚えている。
ハイパワーを発揮するチューニングマシンというと製作したショップを問わず多くの人は「それってピーキーで乗りづらいんでしょ?」と思うだろう。実際にそういう声は多く聞くのだが、パワービルダーの製作するカスタムマシンはハイパワーでありながら、それを使い切れるだけの乗りやすさが追求されている点は特筆しておきたい点だ。
同社は筑波サーキットから四輪で約30分ほどの位置にある。筑波サーキットでの練習走行などで走りにしっくりこない場合には、一度遊びに行くがてら相談してもらいたい、と針替代表もコメントしている。なお、針替代表はタイヤハウスに常駐していないことも多いので、来社時にはぜひ事前にご一報を。
オリジナルパーツのほかにグッズ類も展開
パワービルダーはカスタムショップとしての側面以外にも、自社開発のエキゾーストマフラーやZ1000J用メーターステーといったパーツをリリースしているが、じつはそれ以外にもヒョウドウのサポートショップだったり、腕時計メーカー・ケンテックスがリリースするMOTO Rシリーズの正規取扱店という面もある。
そのなかでも今回、ケンテックス・MOTO-Rのシルバークロノをベースとしたアニバーサリーモデルを同社限定・特別仕様として製作。同社#29 GPZ900Rレーサーにちなんで29本限定で発売している。価格は7万1,500円(税込)で、すでに多数が売り切れているので、希望者は要問い合わせ。
また、2019年11月に開催されたテイスト・オブ・ツクバのハーキュリーズクラスで筑波サーキット1周57秒843という大会レコードを記録したことを記念し、記念Tシャツも製作。こちらは白と黒の2色を用意していたが、すでに公開前に完売。ただオーダー数によっては追加生産は可能なので”どうしても”という人は連絡してみよう。
さらなる飛躍を目指す2021年に向けてPV公開
2020年11月は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて中止になった5月大会以来、半年ぶりに開催されたテイスト・オブ・ツクバとなった。その会場で有志により同社イメージPVを撮影。現在はYouTubeで公開されている。こちらも閲覧して、同社の雰囲気を掴んでいただきたい。
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四ッ井 和彰
元・本誌副編集長。バイク業界歴は10数年。現地取材、撮影、原稿執筆まで一貫して一人で行なうことが多いワンマンアーミー。現在はwebカスタムピープルなどクレタ運営のバイク系ウェブサイト4誌分の記事製作を担当中