カスタムの疑問

自分好みの乗り味やスタイルに愛機を構築していくのがカスタムだ。自由な発想のもと、理想形に近付けていくことは、バイクライフにおける楽しみの一つでもある。しかし、いくら自由な発想といっても、押さえておかなければいけないポイントは多数ある。公道を走る以上、安全面や法規面でクリアしなければならない要素は多く、また正常に各部を機能させるためのノウハウも必要になるのだ。そこで多くのライダーが抱いているであろうカスタムに対する疑問を抽出し、その解答を探っていく。

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吸気系カスタムの疑問
社外キャブレターの購入時、周辺パーツも必須なの?
必須のモノもあります

社外キャブレターの購入時、周辺パーツも必須なの?

ブローバイ処理とエアフィルター装着は必須!

レーシングキャブレターはサーキットでの使用を前提に生み出されていて、より効率的にエアを送り込むためにエアクリーナーを設置せずにファンネルのみで使う前提の製品だ。だが、これはあくまでサーキットでの話。公道で使うためには、エアクリーナーの装着が義務付けられている。純正エアクリーナーボックスに接続するという方法もあるが、多くはパワーフィルターやファンネルに被せたり、ネット状の防じんフィルターを装着して対応することになる。エアクリーナーがないと、異物混入によるトラブルなどが起こる可能性が高まるという側面もある。もちろんというべきか、エアクリーナーを装着すると吸入効率が低下するため性能という意味ではファンネル仕様に劣ってしまうが、レーシングキャブレターのダイレクト感は十分堪能することはできるので心配無用だ。

パワーフィルター
レーシングキャブレターは基本的に純正エアクリーナーを撤去して装着される。そのためパワーフィルターなどの後付けのクリーナーが必要になる。吸気効率は低下するがエンジンやキャブレター内部の保護にも有効だ
ヨシムラ ユニバーサルオイルキャッチタンク
ノーマル車両は純正エアクリーナーボックスを介してエンジンにブローバイガスを還元させる構造を採用するが、同様の還元させる処置かオイルキャッチタンクなどに溜めるなどの措置が必要になる。大気放出はNG

ガソリンコックの交換は必須とは限らない

レーシングキャブレターを装着している車両によっては、ガソリンコックを社外品に変更しているケースがある。これは、キャブレターを変更したことで負圧が取れなくなり、ガソリンが供給されなくなるため、負圧を取ることを目的に交換するのが主な理由だ。ただ、社外コックに交換せずとも、純正コックに手を加えることで負圧を取れるケースもあるという。

ピンゲル ガソリンコック
社外ガソリンコックといえばピンゲルがメジャーな存在だ。タンク内のパイプ径が太く、ガソリンの流れ込む量が増えるというメリットから交換するケースが多い

ハイスロットルは必須ではない

いわゆるハイスロットルキットはスロットルスリーブのプーリー部の径を大きくすることで、少ないアクセル操作で、よりアクセルワイヤーを引く量を増やせるというモノ。そもそもレーシングキャブレターは純正キャブレターよりもダイレクトに反応するため、レーシングキャブレターの装着=ハイスロットル化が必要になるわけではない。操作性を考えて選ぶべきモノなのである。逆を言えば、レスポンスが鋭くなりすぎると判断してプーリー径を純正より大きくするロースロットル化という手段もある。

ハイスロットルキット
ハイスロットルキットはいくつかのスロットルスリーブのプーリー部の径が設定されている。径によって操作性が変わるので、選ぶ際には注意したいところだ


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