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11月10日から13日にかけて、イタリアのミラノで開催された国際見本市ミラノショー(EICMA)。そのEICMA2022で、ブレンボは新製品となる環境にやさしいブレーキパッドGREENANCE、新型19RCSコルサコルタRRレースレプリカモデルのラジアルマスターシリンダー、改良型GP4-MSキャリパーの3製品を発表した。

「GREENANCE」ブレーキパッド

新たに開発した「GREENANCE」ブレーキパッドは、アフターマーケット向けブレーキパッドシリーズを今後、段階的に切り替えていくモデルになる予定だ。シンタードからカーボンセラミックに至るまで、さまざまなコンパウンドを用いた新しいブレーキパッドは、公道はもちろんオフロード、スクーターなど幅広いモーターサイクルごとの特性に合わせることが可能となるとのことだ。

また、ブレーキ温度の上昇時にも安定した性能を発揮するように作られており、すぐれた耐熱性を発揮するという。同社ダイナミック動力計効率試験では、高温・高速環境下で従来品より安定的な摩擦係数を示し、市販の比較対象製品と比べて平均で10%高い摩擦係数を記録したとブレンボでは発表している。また、ブレンボの独自ベンチテストでは、摩耗率が市販の同等製品を15%下回る結果を残したとのこと。

それだけにとどまらず、環境性能にも配慮。「GREEN(グリーン/環境にやさしい)」と「PERFORMANCE(性能)」をその名の由来とするブレンボ GREENANCEパッドはユーザーの期待に応えるパフォーマンスを有すると同時に、サステナブルな環境に貢献したいというブレンボの願いも込められた製品となる。

新型19RCSコルサコルタRRレースレプリカマスターシリンダー

新型19RCSコルサコルタRRレースレプリカマスターシリンダーは、MotoGPやスーパーバイク世界選手権に用いられるマスターシリンダーと同様、ビレットより機械切削。軽量化を図りつつ、レース仕様の設計をできる限り再現した製品になるとのこと。チタングレーの硬質アルマイトのボディの表面はすぐれた耐摩耗性を発揮し、可動部品同士の摩擦を大幅に軽減させるという。従来のモデルと比較して19RCSコルサコルタRRはより濃く深みのある色合いをしていて、Moto2、Moto3クラスモデルの外観にさらに近づけたのが特徴だ。

フローティングピストンとガスケットはMotoGPモデルと同様のコンポーネントを用いており、これはブリーダーボルトやニップル部分も同様。ブリーダーボルトとニップルはボディに対して30度以上傾いており、マスターシリンダーのブリーディングがしやすくなっている。

改良型GP4-MSキャリパー

改良型GP4-MSキャリパーは、パワフルなオンロードバイク向けに設計・開発されており、サーキット発想の公道仕様ブレーキキャリパーとなる。

MotoGPでプロライダーが用いるブレンボ製キャリパーと同様、改良版GP4-MSもアルミビレットとモノブロック設計の組み合わせから製作。鋳造によるブレーキ部品と比較し、アルミビレットを機械切削加工することによって素材の特性を活かすことができ、過酷な走行環境でも高い安定性を発揮し、その結果、耐久性を損なうことなくブレーキシステム全体の性能を高めることができるとのこと。

欧州の大型バイクに用いられる標準的なラジアルフォークと互換性のある従来のGP4-MSキャリパー(取付ピッチ100mm)の人気を受け、今回の改良版では日本のスーパースポーツバイク向けに取付ピッチ108mmがラインナップに加わっている。

フロント部の補強リブは4本のアルミ製ピストンを取り囲み、システム剛性を最大限に高めることによって、走行中のバイクの安定感を向上。さらに、ボディの外側に取付られたベンチレーション用のフィンは、ブレーキシステムの熱交換を促して冷却効率を強化。走行による空気循環はもちろん、ブレーキディスクとホイールの回転によって引き起こされる空気の動きも勘案しての設計となっているという。

このブレンボGP4-MSキャリパー最新モデルはニッケル表面仕上げによって外観の美しさにも磨きをかけ、明るくなめらかな印象を与えると同時に耐久性、耐摩耗性、走行時の最適性能を確保。見た目だけではなくハイレベルなブレーキングに寄与する性能の一部としても機能している要素だ。

なお、本発表はヨーロッパ市場向けのリリースでもあるので、3製品の日本市場への導入の有無や価格といった情報は不明だ。

問い合わせブレンボ・ジャパン
URLhttps://www.brembo.com/jp


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