［東京モーターショー2019］厳密な測定は軸力管理で! より簡便化した東日の全自動締結装置

東京モーターショー2019の展示品のなかから、カスタムピープルとして気になるものをピックアップして紹介する。

TOHNICHI 軸力ナットランナー

バイクをネジ締めする際にトルク管理が重要という話をよく聞くが、実は最適なネジの締結を行なうには、引っ張られたネジが反発し、非締結部を押さえつける力である“軸力”で管理するのが確実かつ最善だ。航空機などは軸力で管理されていることがその証左ともいえる。

しかし、軸力で管理するには超音波測定機など管理する機器が非常に高価であるため、次善の策としてトルクを指標として使用しているのが現実なのだ。それを簡単に軸力で管理できるよう、トルクレンチでよく知られる東日製作所が参考出展として用意したのがこの軸力ネットランナーだ。

使い方は簡単で、任意の軸力を指定すれば全自動で締結。なお全自動といっても設定値からコンマ数％はズレてしまうこともあるが、トルク管理だとそのズレはもっと大きいことがめずらしくないため、より確実な締結が得られると担当者は語っていた。

過去の本誌でも少し触れたことがあるが、現在、生産現場では熟練工が年々減少しており、個々のスキルに頼ることなく組み立て作業を管理する手法が工具メーカーから各種提案されている。こういった軸力ナットランナーがもっと普及・小型化すれば、DIYシーンでも航空機並みの厳密な管理ができる日が来るのかも知れない。

展示場所

南展示棟4階　南4ホール　S4201